スタジオエンジニアの厳しい要求に沿って開発され、
名だたるエンジニア達に愛用されている銘機「D-110 AES/EBU」。
「D-110プログレッシブ」はその名をモニュメンタルに冠していますが、
むしろ進化した構造、素材、アセンブリによる、DHラボのまったく新たな
AES/EBUケーブルです。
素材及び構造
優れた導体の投入は、あらゆるオーディオケーブルに共通の条件ですが、
デジタルケーブルに関しては、それと並んで均一なインピーダンスの保持が
重要課題となります。
このため、厳選されたシルバーコート高純度クリスタル銅導体を包む誘電体には
0.05mm未満の公差に保持された厚手のピュアテフロン押し出し材を投入し、
ジッターの原因とされるVSWRスパイク現象を最小化しています。
内蔵されている、クリスタルのように美しいソリッドロッドスペーサーもまた
導体と誘電体を物理的外圧から保護しインピーダンスを整えるための設えです。
ドレイン導体に重ねてフォイルシールド、
一旦ジャケットで覆われた後、銅箔シールド、
さらにケーブル全体にドイツ製高品質静音材による静音処理が施されています。
「D-110プログレッシブ」のこうした手の込んだ内部構造は、
デジタルケーブルの重要課題であるインピーダンス均一化への徹底した配慮のもとに、
構築されたものなのです。
デジタルケーブルは機器にダイレクトに接続されるアイテムであるため、
誘導ノイズ、静電ノイズ両面を完璧に防護する必要があります。
このため「D-110プログレッシブ」には、アルミ及びドレイン導体、
そして銅による100%遮蔽多重シールドが施されています。
これらはそれぞれ固有の機能を持っており、
組み合わせることによってシールディングの按配を緻密に調整しているのです。
アルミと銅は、溶融を避けるべく中間に厚手のジャケットを介して隔離され、
それぞれに特有のシールド機能を果たします。
フィニッシュには無酸素銅導体の伝導性を些かも引き下げることのないよう、
同じく無酸素銅製接点を持つDH Labs純正110ΩAES/EBUコネクターが投入されます。
音質
背景の透明性と静寂性の秀逸さが第一印象に挙げられます。
きわめて清澄な音響空間が実現しています。
直接音に関しては、高音域の伸びと分離の良さが際立っています。
ヴィブラフォン高音域やトライアングル、ギターのフラジオレットなどが
虚空に浮かび、長い尾を引いて消えて行く様はたいへん印象的です。
またウッドベースやオーケストラ低音楽器は重量感に富みながら、
引き締まりがあり、中低音域の空間を濁すことがありません。
総じて明瞭性の向上が確認できますが、
特筆すべきは「オリジナルD-110」の持つミッドレンジのヴォーカルや
ソロ楽器の肉声感、温度感が些かも損なわれていない点です。
決して明瞭さ一辺倒の、無機的な音質になっていません。
それどころか、メインヴォーカルは最前面に定位し、
オリジナルD-110にも増して堂々たる実在感です。
周到なジッター対策により位相が整い、
演奏現場そのままの適正な音量バランスが得られている証左といえます。
システム最上流に配置されるデジタルケーブルは、
あらゆる情報を微塵も漏らすことなく下流に伝える重要な役割を担っています。
けれど明瞭さのみを追求し、冷徹な音質にまとめてしまったらどうでしょう、、、
ジャズヴォーカルや管楽アンサンブル等を聴いてみれば結果は明らかです。
現実のリスニングには使えないケーブルになってしまうのです。
「D-110プログレッシブ」で探究された明瞭性は、
あくまでも豊かな音楽性を実現するための一要素となり得ています。
演奏の微細なニュアンスを余すところなく拾い上げる、
このケーブルの表現力には感嘆するほかありません。
このようなケーブルを用いて、日常のリスニングを
心ゆくまでお楽しみいただきたいものです。
■純銀コート高純度クリスタル銅導体、ピュアテフロン誘電体(公差0.002inch未満)、ソリッドロッドスペーサー、アルミ/ドレイン及び銅多重シールド(100% shield coverage)、特殊静音処理(ドイツ製高品質静音材)、D.H.Labs 純正110ΩAES/EBUコネクター(feature direct-gold-plated pure OFC copper contact pins)
※画像は1m版のものです
※一枚目の画像では光が写り込んでアウターが銀色に見えますが、
実際は「パステルグレー」です。(二枚目の画像に近い色です)
※0.5m版は取り回しへの配慮のためシリンクチューブによるロゴ表示となっております