(1) Western Electric無鍍金銅導体について
「SP-6」はSP-4の4芯に比べ、
チャンネルあたり6芯の導体が投入されています。
但しここで重要なのは、物量でなく線材の質、内容です。
当時の線材の多くは、銅線に錫鍍金を施して、
導体を酸化から保護していました。
これは経年劣化を防ぐためにも適切な方法でした。
ところがWestern Electric社は、ごく稀にではありますが、
鍍金を加えず、純粋に銅線だけからなる線材を造っていたのです。
音響的観点からすれば、それは素晴らしい見識でした。
いうまでもなく他の金属の混じらない無鍍金銅は導電性に優れ、
音源を変質させることが少ないからです。
Western Electricの先見性に敬意を表さずにいられません。
「SP-6」は、その貴重な無鍍金銅線のみを選別して、
アセンブリされました。
24AWG単線をチャンネルあたり6芯用い、
単線換算で16AWG/Chという太さを得ています。
細線を用いて表皮効果、インダクタンスの発生を回避し、
6芯を合わせて十分な導電性、情報伝達量を確保するのです。
こうしてノイズレベルの低い透明な空間と、
たっぷりとした量感豊かな再生音の両立が実現しています。
(2) ノイズ遮蔽とレゾナンス最適化
特に純度の高い純銅導体や純良な純銀線などでは、
しばしば外部からのシールドを加えることが避けられます。
外部シールドはノイズ遮蔽に有効な方法ではありますが、
原音の音質を変質させてしまう懸念があるためです。
これらWesternの線材にも同じ配慮が必要なため、
外部シールドを加えず、6芯ブレイド処理が施されました。
これによって線材の持つ味わい深い音調を確保しつつ、
強力な電磁ノイズ遮蔽を実現しています。
Westernの無鍍金銅という貴重な線材を用いるため、
制震も現代製品に劣らない手厚い処理を施しています。
高収縮のEDPM、ドイツ製ファイブリック静音材などで土台を固め、
専用制震マトリックスを搭載しました。
但しここでも音質を変質させる素材を慎重に避けて、
音質に害のない非磁性素材が選ばれています。
終段のコネクターは、堅牢な構造を持ち、優れた導電性を持つ
DH Labs製BFA Bananaを投入しました。
Westernの無鍍金銅線に見合う高性能コネクターです。
(3) SP-6の音質
試聴の第一印象は圧倒的なハイファイ性です。
現代ケーブルに比べても劣らない音響クォリティーを確認させます。
劣らないどころかこのレベルに達している製品は、
例え10倍価格のハイエンドケーブルであっても極めて稀です。
ワイドレンジに驚嘆させられます。
アップライトベースの深さと量感、、、
膨らんで輪郭が甘くなることはなく、
しかも音の中身が密に詰まっていて、リアルこの上ないのです。
「実在感」とはこのことを言うのでしょう。
高音も十分な積極性を見せています。
シンバルの強打は輝かしく、
徐々に減衰していく音の粒子の細かなこと、、、
ハープは低〜中域の混濁しがちな帯域すら見事な粒立ちを見せます。
フルートの輪郭は例え厚い弦楽に包まれていても空間を突き抜けます。
しかしながら、ここでもミッドレンジが最大の魅力でしょう。
肉声感、そして実在感が半端ないのです。
まさに「Western Electric」です!
しかもこのケーブルは肉声感や実在感のレベルを更に超えてきます。
アーティストの声や楽音の奥に潜む情感やデリケートな表現を
抉り出してくるのです。
これこそWestern Electricが超一流であることの証に他なりません。
■Western Electric 24AWG無鍍金銅線 x 6芯(Chあたり16AWG相当)、エナメル・シルク被覆及びファブリックバッファ、6芯ブレイドによる電磁ノイズ遮蔽、EPDMおよびドイツ製静音材(静音dB: EU ClassA)、専用非磁性制震マトリックス搭載、DH Labs製Z-Bananaまたは純銅製Spade(Yラグ)
※この製品は材料の確保に限りがあるため、比較的早く終了になる可能性があります。入手をご希望になられます方は早めにお申込みください。
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※Yラグもお選びいただけます。(摘要欄にお書き添えください)
※2.0m以上の特注をご希望の方は、お訊ねください。
※ 仕様は予告なしに変更になる場合がございます旨ご了承ください。