DHラボから届いたスピーカーケーブルの新製品「PRELUDE」。
銀に拘りを持つこのメーカーに珍しく高純度銅のみによる製品です。
DHラボからOFHCによる新製品開発のことを聞かされたのはかなり前のことでしたので、随分長期にわたる取り組みであったようです。
二層からなる36芯11AWGという堂々たる太さの高純度OFHC導体が採用され、
同芯内の各層で撚りを交替させて磁気ノイズを排除する新設計(「Alternating Concentric Layering」)を採用。
2本の導体はDH Labsならではの低密度誘電体により絶縁され、2束の太い綿糸と4束の細い綿糸のバッファとともにラッピング制震された後、厚いアウタージャケットで包みこまれています。
結果的にQ-10 signatureなみの太さ(外径11mm)を持つケーブルとなりましたが、素材が柔らかなので取り回しはきわめて良好です。
使用された素材などからみて、いかにもナチュラルで柔らかな音を聴かせてくれそうなPRELUDE。
けれど実聴してみて意外だったのは、きわめて明瞭な音調を持っていたことです。
レンジは低域から高域にいたるまでまったく不足ない範囲をカバーしており、
各帯域の再現性は正確で、曖昧さの微塵も確認されません。
音像の輪郭のクリアさ、中低域でも鈍らない音離れの良さ、驚くほど静かな背景など、いつもながらの魅力的なDHラボクォリティを確認させ、純銀の用いられた上位モデルにも引けをとらないのです。
この時点で、まずもって聴き手を驚かせることでしょうが、更にPRELUDEという製品を特徴付けているのは、
きわめて美しいソノリティ(音の響き)を持ち、際立って豊かな音楽性を感じさせる点です。
ここに高純度銅導体に拘ったこの製品のアピールポイントがあるように思います。
音質チェックをしていたはずなのに、いつしか音源にある豊かな音楽性に耳を取られ、次々にディスクを交換して、時の経つのを忘れてしまうのです。
ヴォーカルやソロ楽器のヴィブラートに乗る繊細なニュアンスのなんと味わい深いことでしょう。
チェロの彫の深い低音弦、アルトサックスの深々とした嘆息、等々、、例を挙げればきりがありません。
DHラボのPRELUDEは、オーディオファイルの方がその基本性能の確かさを理由に導入されて間違いのない製品です。
けれどそれにとどまらず、音楽の感動という、オーディオの本来持っていた原点に聴き手を立ち返らせてくれる貴重な価値を持つケーブルなのです。(「オーディオアクセサリー銘機賞2016 金賞」受賞)
■11.0mm Diameter、11AWG OFHC 36 strands Conductors、Alternating Concentric Layering、Low Density Dielectric
※表示価格は1mあたりの価格です。お申込みの際は、個数欄に「4」等のように総ケーブル長を、備考欄に「2m+2m」等と内訳をご記入ください。